マナーズォーンキング

みんなへ相談 >>

課金、課金、負け…また課金 ゲーム依存、月20万円を投じた青年の今

https://news.yahoo.co.jp/articles/2459e3435058b466c7894abf1763b10f1a2a211d


スマートフォンの画面に次々と現れる強敵を、手に入れたモンスターで倒していく。モンスターを集めて、育てて、勝ち進む。手っ取り早く勝つには、強くて希少なモンスターをたくさん獲得すること。そのためには課金だ。課金、課金、課金。ああ、また負けた。くそ、また課金だ。

ダイキさん(28)=仮名=は2020年秋、ゲーム障害やギャンブル依存症患者の回復施設「グレイス・ロード」(甲府市)に入所した。共同生活を送りながら、毎日の「ミーティング」で自分を語り、仲間が語るのを聞いて、ゲームにのみ込まれた自分自身を必死に見つめ直している。

高校を卒業するまで、ゲームはほとんどやったことがなかった。情報技術(IT)関連の専門学校に入学。周りはゲーム好きばかり。早く友達をつくろうと、皆がやるスマホのオンラインゲームを始めた。

初心者の自分は当然、弱い。皆のように勝つために、課金を繰り返した。

課金すると、数十種類のモンスターの中からルーレットのように無作為で一つ当たる「ガチャ課金」。目当ての強いモンスターが当たるのはごくまれだ。数十回課金して1回しか当たらないこともある。だが当たれば、勝てる。高揚する。いつしかゲームの勝ち負けより、希少なモンスターを当てることが目的のようになった。外れ…外れ…外れ…当たり!外れ…外れ…外れ…外れ…外れ…。

学校の合間に、長い日は12時間プレー。課金は1回数百円だが、一度に“大量購入”すると単価が“お得”なため、毎回約5千円を突っ込んだ。他のゲームにも手を出し、課金は多い月で計約20万円。月10万円余りのアルバイト代ではとても追い付かない。

ある日、ダイキさんは家族が誰もいないのを見計らって、父親のかばんをあさった。財布があった。1万円が入っていた。

罪悪感でも全て忘れたくて支払い窮し、家庭で盗み数十回
スマートフォンのオンラインゲームにはまったダイキさん(28)=仮名=は膨らみ続ける課金を支払うため、父親の財布からお金を盗んだ。数回繰り返し、ばれた。「なぜ取ったんか」「大金を使って、ゲームの何が楽しいんか」。問い詰められ、黙り込んだ。ただ時間が過ぎるのを待った。

やがて両親はトイレや風呂へ行くにもかばんを離さなくなった。ダイキさんは今度は金庫の鍵を開け、数万円ずつ抜いた。家庭内の盗みは数十回に及んだ。家族の会話はなくなった。

罪悪感はあった。だがやめられない。胸の内には、自分なりの理由があった。

幼い頃から勉強が嫌い。本当は高校を出たら働きたかった。進学を望む親と意見が対立し、仕方なく折れた。だが専門学校の勉強は難しく、劣等感ばかりが募る。「ゲームがないと自分がつぶれそうだった。プレー中は全てを忘れられた」

4年制の学校をなんとか5年で卒業し、IT関連会社に入社した。実家を出て1人暮らし。だが仕事は難しく、付いていけない。何一つ面白いことのない生活。ますますゲームにのめり込んだ。

約20万円の給料は課金で瞬く間に消える。クレジットカード、消費者金融。借金は約200万円を超えた。節約のため食事はコメともやしばかり。水とお茶だけで2週間過ごしたこともある。体重は約15キロ減った。空腹と寝不足で仕事中も頭がぼーっとする。出勤もままならなくなった。2019年冬、退社。人材派遣会社に登録したが2カ月で解雇。収入が途絶え、父親のクレジットカードを盗み、ばれた。半年後、親の勧めで回復施設に入所した。

施設は約50人が共同生活を送る。入所中は原則、誰とも面会、連絡できない。回復課程は2段階。第1段階はひたすら自分の過去、現在と向き合う。もちろんスマホはなし。第2段階は将来の自立へ向け、心身や環境を整えていく。

昨秋、2年ぶりに両親と会った。「ごめんなさい」。心から謝った。年末、ようやく第2段階に進み、アルバイトを始めた。1人暮らしをするため、お金をためるつもり。もう二度と失敗はしたくない。


ゲーム障害やギャンブル依存症の回復プログラムの教本に目を通すダイキさん(グレイス・ロード提供)
https://i.imgur.com/XyYru22.jpg


👍 1   👎 -2

0 回答

ガイドライン外の表現は削除や修正をする場合がございます。ご了承ください。

この回答に関連するYouTube動画 (任意) 例) https://youtu.be/vkh7CHqLOAo

新着みんなへ相談

上へ戻る